4月13日(土)日記 「雪が降り、溶け、草が茂る」

 

7時に起床して朝食をとる。日の出が早くなって暖かくなり、起きやすくなった。

朝食(玄米パン・カレースープ・ヨーグルト)

土曜日の午前は掃除や洗濯をすることにしている。最近はNHKのラジオ、もっぱら英会話の放送を聴きながら行う。隙間時間にできて、私でも継続しやすい学習方法である。

 

お昼からは急遽映画を観に行くことにした。フリーヌル・パルマソン監督の『ゴッドランド』だ。(ネタバレを含むかもしれません。)

www.godland-jp.com

第一の感想としては、とにかく息を呑むほど風景が美しい。雪を被った山肌や苔むしてじんわりと湿った草原、澄んだ流水、どこを切り取っても1枚の絵画のようである。この自然の美しさは牧師を苦しめる過酷さと表裏一体であり、あらゆる生き物の生死をも覆い包み込む。

また、旅を共にする馬と犬など動物がよく出てきて癒された。特に犬は人懐っこく元気いっぱいで、出てくるたびにかわい〜と思った。大学生の頃、馬とよく関わっていたので、鞍を乗せ、飛び乗って鎧を履き手綱を握る一連の流れを見るとその時の馬の体温、匂い、感触が今あるかのように思い起こされる。私も乗馬がたいそう下手だったので、うまく馬を操れない牧師が指導されている姿に自分を重ねてしまった。人間と共に過ごす動物がいる一方で、糧となる動物もいる。羊や鶏が屠殺される場面がはっきり描かれていて、印象に残っている。生きることの隣には死がある。

主人公の牧師についてだが、かなり観光客気分といった印象である。過酷な長旅を選んだのは、教会を建てるという目的のほかに、現地の人々と交流しながら写真を撮りたいという意思があるにも関わらず、一緒に旅をする仲間とさえ全く交流しようとしない。アイスランド語を全く覚える気がなく、通訳の友人頼りである。ガイドの男の忠告を無視し、手を差し伸べられても「言葉がわからない」の一点張りで拒み続ける。

この牧師に対して、「もっと歩み寄りなさいよ・・・」と苦言を呈したくなるのと同時に、自分も人のことを言えないタイプだなと思っている。大学生のころ、学校のプログラムでインドネシアに2週間ほど行った時のことを思い出す。田舎の方へ行くと英語は全く通じず、コミュニケーションがほとんど取れない。インドネシア語を話す先生が同行していたので会話は頼りきりになってしまっていた。ホームステイを何件かしたのだが、リビングに居づらく部屋にこもっていたり、夜のダンスパーティーのようなイベントに行かず、家で日本の音楽を聴きながらじっとしていたりした。この牧師のように故郷を恋しく思い、項垂れた。積極的に現地の言葉を使ったり、馴染もうとしている生徒はやはり楽しそうに見えたし、現地の人にも受け入れられていた。大学生の頃の自分にはそれが限界だったのだが、今はもっとうまく振る舞えるだろうか。

終盤にはガイドの男との確執も明らかなものとして見え始める。男が自分の欲望や仄暗い気持ちを次々と牧師に吐き出す懺悔のシーンには見入ってしまった。そしてこのように憎悪や軽蔑に満ちた醜い人間の営みもその終わりも併せて、美しく過酷な自然が飲み込んでいくのである。

 

映画を観終わって外に出ると初夏という感じの気温で、アイスクリームを食べたくなり、コンビニに寄って帰宅した。

おやつ(オレンジ・MOWのバニラ)

緑茶は地元にいる祖父の畑で取れるもので、熱湯で入れるより水出しの方がすっきりして美味しく感じる。今の季節にぴったりだ。

花屋でカーネーションを買って飾った。ピンクのメッシュが入ったグリーンとホワイトだ。とても可愛くて気に入っている。

 

そうこうしているうちにあっという間に夜が来たので、夕食を食べる。

夕食(パプリカライス・野菜スープ)

最近野菜スープばかり作っている。セロリとトマトを入れた洋風のスープが好きだ。

煮込んでいる間は岸政彦さん・柴崎友香さんの『大阪』を読んだ。

www.kawade.co.jp

 

寝る前に大学の課題に手をつける。今年度のスクーリングがもうすぐ始まるので、楽しみである。

 

(4月13日 深山トキエ)