4月20日(土)4月21日(日)日記「つくって・たべて」

土日は通っている学校の授業があった。前回が12月末だったため、随分と久しぶりだ。近くのコーヒーショップが移転して焙煎専門店になっていたり、パン屋が閉店していたりしていて時の流れを感じる。コーヒーショップの移転元には別名義のカフェが入っており、以前までのブレンドコーヒーも飲めるようになっていた。元のお店(現焙煎店)のコーヒーを初めて飲んだときとても美味しくて感動したのを覚えている。半ば義務のように思っていたコーヒーのことを、実は好きなのかもしれないと自覚した瞬間だった。それ以来授業前にここのコーヒーを飲むのがルーティーンになっている。お店は変わってしまったが、これからも同じブレンドを飲めるのはありがたい。

 

授業はオンラインでも受けられるのだが、できるだけ対面で受けるようにしている。先生に質問しやすいというのもあるし、授業をみんなでつくっていく感じが好きというか、やる気につながるからである。通信にはいろいろな人がいて楽しい。年齢層も経歴も様々で、話を聞いているとみんなそれぞれの事情でここにいるのだなと思う。課題を通して、多様な考え方や表現に出会うことができ、いつも刺激をもらう。講義を挟みつつ2日間集中して課題制作に取り掛かるのでかなり消耗するのだが、終わった後は不思議と力が満ちている。

 

体力を使うので、美味しいものをたくさん食べた。1日目の昼はハンバーグ。いつも行くパン屋が閉店していたのでうろうろしていたところ、洋食屋さんを見つけた。少し時間が遅かったのでスムーズに席について食べることができた。箸を入れると肉汁がたくさん出てきて少し焦った。どこか懐かしいようなとても美味しいハンバーグだ。

1日目 昼 ハンバーグ定食

 

1日目の夜はカレーの専門店で野菜カレーを食べた。せっかくなので温玉をトッピングした。授業のことを脳内で振り返りながら食べているといつの間にかお皿が空になっていた。食べるのがそんなに早い方ではないが、カレーだけは飲むように食べられる。小中学校の給食時代からそうである。ほぼ食べ終わった段階で、同じ授業を受けている知り合いが偶然にもお店に入ってきたので、しばらく話をして過ごした。

1日目 夜 野菜カレー温玉のせ

2日目の昼は天丼を食べた。ハンバーグが美味しかったのでまた同じ洋食屋さんに行こうとしたところ、日曜定休だった。路頭に迷い歩き続けたところ、天丼屋さんを見つけた。雨だったからか人も少なく、すぐ注文できた。お昼メニューのえび天丼にはえびが3尾とのり、アスパラ、さつまいも、なすの天ぷらが乗っていて、付け合わせに梅風味の漬物と赤だしが出てきた。空腹に染み入る美味しさで、夢中になって食べた。テーブルに置いてある山椒をかけるとすっきりしてより美味しい。最初に出してもらった温かいお茶も香ばしくて落ち着く味がした。しっかり食べたので、午後からも集中して課題に取り組むことができた。

2日目 昼 えび天丼

講評を終えて帰路につく。電車の中で以前から読んでいた本を読み終えた。

www.iwanami.co.jp

読み返したい部分がたくさんあるので、手元に置いておこうと思う。

 

珍しくお肉が食べたくなり、スーパーで牛肉のこま切れを買って、プルコギを作って食べた。授業のことやその中で交流できた人たちのことを思い出しながら身支度を済ませる。また1週間頑張れる気がした。

 

(4月20日・21日 深山トキエ)

4月18日(木)・4月19日(金)日記「甘やかす日」

木曜は職場に泊まりだったので、2日分の日記を書く。木曜は全身が重だるい一日だった。黄砂が飛んでいるせいなのか、単純に天気が悪いのか、空が曇っていて視界が悪い。身体中の水分と吸ったり吐いたりする空気に砂が張り付いている感じがする。同僚から「顔色が悪い」「なんか紫」と心配されてしまった。

 

ただでさえ気圧の変化や季節の変わり目に弱いのだが、とにかく風通しの悪いオフィス(倉庫だったと言われている)が不調に拍車をかけている。2年間、暑い夏も寒い冬もエアコンのない状態で過ごした。今年の夏こそ空調をつけてほしい。本当に、お願いします。

 

夜ご飯はスーパーのサラダ巻きを食べた。好きな食べ物の一つである。私は「好きな食べ物なに?」という質問に回答するとき、「気分を選ばずに食べられるか」という指標を立てることにしている。全体的に食べ物が好きなので困ってしまう質問なのだが、こうした基準があると選択肢を絞ることができる。私の場合はサラダ巻きとうどんである。

 

金曜日は予定通り休暇をとった。職場での睡眠は寝ていないようなもので、家に帰ってベッドに寝転がり、いつの間にか眠っていた。スーパーでなぜか疲れている時に体が欲するエビチリや杏仁豆腐を買って食べた。今日は自分を甘やかす日だ。

 

だらだらしながら家事をして、冷蔵庫の中の野菜を切って、切って、煮込み、スープを作った。ズッキーニを入れてみたのだが、思っていたほどクセがなくとろりとした食感でとても気に入った。今日はほとんど何もしていないに等しい1日だったが、体の重みは幾分か取れたような気がして、休養の大切さを改めて感じる。

 

明日は授業があるため、早めに寝ることにする。

 

(4月18日・19日 深山トキエ)

4月16日(火)・4月17日(水)日記「悪夢を癒すアイス」

火曜の昼から体調が悪く、日記を描き損ねた。本日は大事をとってお休みをいただいた。

 

火曜の夜は雹・雷・雨と凄まじい天候だった。今までに聞いたことがない音がして、家が壊れるのではないかという恐ろしさがあった。幸い自分の周りで物が壊れたなどの被害は出ていない。

 

私は天候が悪いときに体調を崩しやすい。火曜日も完全に自律神経がおしまいになっており、体が言うことを聞かなくなった。うまく寝付けず、久々にはっきりとした悪夢を見た。大きなカラスのような鳥が私の右肩にとまり、肩から背中にかけて肉を嘴で抉り取られそうになる。痛みはなかったが尖ったものが皮膚にめり込み、体液をかき混ぜられる感覚は強く覚えていて、あまりの恐怖に飛び起きたのであった。

 

悪夢ともう一つショックなことがあった。外に出していたカボチャが腐っていたのだ。

タネの部分には白い綿のようなものが張っていて、鼻を近づけるとなんとも言いあらわせないツンとした強い匂いがした。触ってみると火を通したかのように柔らかい感触になっていた。賞味期限の切れた食材を平気で食べるような私であるが、さすがにこれはもう無理だと悟った。せっかく安く手に入れることができ、お味噌汁にでもしようと思っていたのだが。カボチャにも申し訳ない。外に食物を置いておくとみるみるうちに腐っていく、そんな季節が近づいてきたのだと感じる。

カボチャが腐っていた

ひたすらベッドで休養した。何を食べていいか分からなかったが、アイスなら食べられそうということで、爽のヨーグルト白桃味・アイスの実桃味・パルムストロベリー杏仁の3種類を時間を置いて食べた。特にパルムの杏仁は想像以上に美味しくて、また食べたいと思った。

 

休んだら少し頭のもやが腫れた気がする。明日からもほどほどに頑張りたい。

 

(4月16日・17日 深山トキエ)

4月15日(月)日記 「大人になるということ」

一日仕事だった。今日は午後にかけて不安感が強くなり、仕事中も耳の後ろのあたりがぶわーっと熱くなったり冷えたりして調子が悪かった。寝つきが悪かったためかもしれない。公園にて昼食を摂り、ベンチで眠った。

 

やっとのことで家に帰る頃にはクタクタになっていた。今日も気を遣ったり自分を責めたりして疲れてしまった。そんなことしなくていいのにね。これは自分に言い聞かせている。

今日も一日お疲れ様ご飯(トースト・鱈と野菜の酒蒸し)

酒蒸しが好きだ。簡単で栄養が取れて美味しいので何もいうことがない。鱈はスーパーの半額品で少し悪くなっているかと思ったが、何も問題なかった。新じゃがのホクホクとした食感、トマトの酸味、春菊の風味が合わさって美味しかった。

 

タカキベーカリー玄米パンも気に入っている。玄米の素朴な甘みが好きだ。小さい頃、タカキベーカリーのすっきりとしたパッケージや素朴な風合いのパンにとても憧れていた。少々割高であったため、母の前で言い出せなかったことを思い出す。その反動か、社会人になってここのパンばかりを買うようになった。タカキベーカリーのパンを躊躇なく買い物カゴに入れられるようになったことは、私にとって「大人になった証」の一つである。いつもバターを塗るのをめんどくさがってそのまま食べることが多いのだが、つけると段違いに美味しい。

 

食事の後、郵送で提出する大学の課題を箱詰めしたところで体力がほぼ0になった。本当は郵便局まで行きたかったが、気力が無かったので明日に予定変更する。風呂というラスボスが待っているからだ。

 

お風呂でルピシアから届いたお試し用の白桃紅茶をアイスで飲んだ。澄んだ褐色が美しいお茶で、氷を浮かべると気分が上がる。口を近づけるたびに桃のいい香りがして嬉しい。とても気に入ってしまったので、茶葉を見つけたら是非購入したい。フルーツ系のフレーバーティーはアイスで、甘みを足さない方が好みかもしれない。

 

どこからともなくやってくる憂鬱感に苦しみながらも、やっとのことでお風呂を終わらせた。上出来である。本を少し読んだ。ページを開くと活字にじわーっと目と脳が吸い寄せられていき、他のことを考えなくなる。読めない時もあるが、調子の悪い時もまずは本のページを開いてみるというのも良いかもしれない。

 

(4月15日 深山トキエ)

4月14日(日)日記 「素麺、コーヒー、不安」

午前中に仕事があったので、7時前に起きて半ごろに家を出た。外はいい天気で朝の風は少し冷たく気持ちが良い。つい夜更かしをしてしまい寝不足だったが、風にあたると頭がすっきりする。深夜に急にお腹が空き、余っていたご飯をお腹に入れたため食欲が無かった。コンビニでキレートレモンを購入し、朝食とした。

 

昼頃に仕事が終わって帰路についた。昨日同様上着がいらないくらいの気温だ。スーパーに立ち寄ると急に素麺が食べたくなり、買い物カゴに入れた。ちらりと揖保乃糸の方を見ながら150円ほど安いスーパーのオリジナルブランドの安い方を手に取る。これも十分に美味しい。

 

家に着くと、寝不足、疲れ、暑さによるバテが一気に襲ってきて、電池が切れたように眠った。起きると16時で、ろくにものを食べていないことに気づく。食欲があるのかないのかわからない眠気の冷めない体で、買ってきた素麺を茹でた。つゆに氷を入れるとパチパチ音がしてまだ4月だが「夏だなあ」と思う。氷のぶつかる音、溶ける音は夏の音である。

豚肉となすを添えた薬味たっぷり素麺

一口啜るとあるのかどうかわからなかった食欲がみるみる湧き上がってきて、夢中で食べた。つゆの塩味と冷たい感触が乾いた口内にじんわり沁みて幸福を感じる。

 

コーヒーを切らしていたので、豆を挽いてもらうため近所のコーヒー屋さんに足を運んだ。ここ最近念願のドリッパーを購入し、是非とも使いたいということで通うようになった。アイスコーヒーが飲みたい気候になってきたので、今回はフレンチローストの豆を挽いてもらった。

コーヒーを飲みながら本を読む

家に帰って、早速ドリップする。お湯を注ぐと広げたペーパーの中で水分を含んだ粉がぶわわと膨らむ。ポタポタと抽出した液体がビーカーに落ちていく。見ているとなんだか気持ちが和らぐ。凝り固まっていた心がぶわっとほどけて、悪いものが出ていくような感じだ。呼吸ができる。コーヒーを淹れるという行為は一種のセラピーかもしれない。

 

この日記もセラピーの一種として書き始めた。さまざまなことに不安を抱える性分であるので、気を紛らすためのものがたくさん必要になる。不安はいつも私をつけねらっており、ふとした瞬間に私の心の大事にしている部分に忍び込もうとしてくる。

公開という形で日記をつけようとすると、せっかくなので嬉しかったことやいいなと思ったことを綴りたいなという気持ちになる。するといつも不安に脅かされている私の心のやわらかくあたたかい大切な部分と向き合うことができる。文章を考えているとき、それは私の中に侵食できない。それはどうしても無くならないので、いかに相手にしないかという方法を考える方が建設的で、日記を書くという行為はその1つであると実感している。

 

本を読んでいると日が落ち始め、夜が来た。お風呂に入り、課題を進める。週末はいつもあっという間に過ぎ去っていく。

 

(4月14日 深山トキエ)

4月13日(土)日記 「雪が降り、溶け、草が茂る」

 

7時に起床して朝食をとる。日の出が早くなって暖かくなり、起きやすくなった。

朝食(玄米パン・カレースープ・ヨーグルト)

土曜日の午前は掃除や洗濯をすることにしている。最近はNHKのラジオ、もっぱら英会話の放送を聴きながら行う。隙間時間にできて、私でも継続しやすい学習方法である。

 

お昼からは急遽映画を観に行くことにした。フリーヌル・パルマソン監督の『ゴッドランド』だ。(ネタバレを含むかもしれません。)

www.godland-jp.com

第一の感想としては、とにかく息を呑むほど風景が美しい。雪を被った山肌や苔むしてじんわりと湿った草原、澄んだ流水、どこを切り取っても1枚の絵画のようである。この自然の美しさは牧師を苦しめる過酷さと表裏一体であり、あらゆる生き物の生死をも覆い包み込む。

また、旅を共にする馬と犬など動物がよく出てきて癒された。特に犬は人懐っこく元気いっぱいで、出てくるたびにかわい〜と思った。大学生の頃、馬とよく関わっていたので、鞍を乗せ、飛び乗って鎧を履き手綱を握る一連の流れを見るとその時の馬の体温、匂い、感触が今あるかのように思い起こされる。私も乗馬がたいそう下手だったので、うまく馬を操れない牧師が指導されている姿に自分を重ねてしまった。人間と共に過ごす動物がいる一方で、糧となる動物もいる。羊や鶏が屠殺される場面がはっきり描かれていて、印象に残っている。生きることの隣には死がある。

主人公の牧師についてだが、かなり観光客気分といった印象である。過酷な長旅を選んだのは、教会を建てるという目的のほかに、現地の人々と交流しながら写真を撮りたいという意思があるにも関わらず、一緒に旅をする仲間とさえ全く交流しようとしない。アイスランド語を全く覚える気がなく、通訳の友人頼りである。ガイドの男の忠告を無視し、手を差し伸べられても「言葉がわからない」の一点張りで拒み続ける。

この牧師に対して、「もっと歩み寄りなさいよ・・・」と苦言を呈したくなるのと同時に、自分も人のことを言えないタイプだなと思っている。大学生のころ、学校のプログラムでインドネシアに2週間ほど行った時のことを思い出す。田舎の方へ行くと英語は全く通じず、コミュニケーションがほとんど取れない。インドネシア語を話す先生が同行していたので会話は頼りきりになってしまっていた。ホームステイを何件かしたのだが、リビングに居づらく部屋にこもっていたり、夜のダンスパーティーのようなイベントに行かず、家で日本の音楽を聴きながらじっとしていたりした。この牧師のように故郷を恋しく思い、項垂れた。積極的に現地の言葉を使ったり、馴染もうとしている生徒はやはり楽しそうに見えたし、現地の人にも受け入れられていた。大学生の頃の自分にはそれが限界だったのだが、今はもっとうまく振る舞えるだろうか。

終盤にはガイドの男との確執も明らかなものとして見え始める。男が自分の欲望や仄暗い気持ちを次々と牧師に吐き出す懺悔のシーンには見入ってしまった。そしてこのように憎悪や軽蔑に満ちた醜い人間の営みもその終わりも併せて、美しく過酷な自然が飲み込んでいくのである。

 

映画を観終わって外に出ると初夏という感じの気温で、アイスクリームを食べたくなり、コンビニに寄って帰宅した。

おやつ(オレンジ・MOWのバニラ)

緑茶は地元にいる祖父の畑で取れるもので、熱湯で入れるより水出しの方がすっきりして美味しく感じる。今の季節にぴったりだ。

花屋でカーネーションを買って飾った。ピンクのメッシュが入ったグリーンとホワイトだ。とても可愛くて気に入っている。

 

そうこうしているうちにあっという間に夜が来たので、夕食を食べる。

夕食(パプリカライス・野菜スープ)

最近野菜スープばかり作っている。セロリとトマトを入れた洋風のスープが好きだ。

煮込んでいる間は岸政彦さん・柴崎友香さんの『大阪』を読んだ。

www.kawade.co.jp

 

寝る前に大学の課題に手をつける。今年度のスクーリングがもうすぐ始まるので、楽しみである。

 

(4月13日 深山トキエ)