5月4日(土)・5月5日(日)日記「学び・古ホテル」

週末には大学のスクーリング授業があり、京都に行っていた。前日に植物園を歩き回っており、さぞかしよく眠れるだろうと思っていたが、寝つきが悪い上に途中で何度も起きた。コンディションの悪い体を叩き起こし、荷物をまとめて家を出る。

早朝ということもあり行きの電車では大抵座ることができる。ほとんどの時間を眠りに費やしていた。京都河原町を降りて地上に出ると、非常に単純だが、京都に来たなあと感じる。人通りの少ない四条大橋を渡るときはいつも嬉しくてドキドキする。(夜は人が多過ぎてドキドキする。)鴨川が太陽の光でキラキラしていた。

なんだかそのままゆっくり散歩に行きたい気分であったが、そういうわけにもいかないので学校に向かう。大学の近くのカフェでアイスコーヒーとチョコレートの入ったスコーンを買う。信号待ちの時にアイスコーヒーを少し飲むと、冷たさと程よい苦味が脳に直撃して「ハッ」となった。とても美味しい。

教室には10人しか受講生がおらず驚いた。1年在籍してスクーリングを受けていると、だんだんメンバーが見知った顔になっていく。

今回の課題は大まかなお題が決められており、観察したところから自分でテーマや表現方法を決め、作品にするものであった。昨年からスクーリングを受講しているが、学年が上がるにつれ今回のように自由度の高い課題が増えてきた。その最たるものとして卒業制作があり、その手がかりとなる授業であった。

私は今回1分弱の映像作品を制作した。テーマに沿った視覚化案をグループで共有した際、映像にしてはどうかという意見をもらい、表現方法として選んだ。冬ごろに映像の授業があったのだが、そこから全くソフトを使用していなかったので、この機会に挑戦してみることにした。1日目は絵コンテを書いて撮影し、素材を揃えた。

昼ごはん

1日目の授業を終え、ホテルに向かう。いつも宿泊する場所が予約できなかったので、今回は違う場所に泊まった。一番安い部屋にしたのだが、ツインかつ喫煙の部屋であることに前日に気がついた。

フロントで受け取った鍵(カード型でない「鍵」)を差し込んで球体型のドアノブをひねると、清潔だが薄暗く年季の入った部屋があらわれた。ツインルームを予約しているので、当然ながら体が1つしかないのにベッドが2つあって笑ってしまった。心配していたタバコの匂いは全くと言っていいほど気にならない。が、ユニットバスとトイレから下水のような臭いがして不安になった。扉を開けなければ問題ないので、お風呂は1階にある大浴場で済ませることにした。

お腹が空いていたのでご飯を食べるところはないかと周辺を散策するがちょうど良いところが一向に見つからない。引き返し、反対側にも歩いたがやはり見つからないので、スーパーで2日目の朝食も含めて買い物をすることにした。担々麺とレンコンのサラダ、マンゴープリンを夕食に、ランチパックのピーナッツクリームと調製豆乳を朝食に購入し、ホテルに戻る。ホテルの入り口には大型バスが停まっていて、おそらく中国からの観光客が大きなキャリーバッグを携えてゾロゾロと中へ入る。私も続く。登りのエレベーターが4階辺りでがこっと音を立てて僅かに揺れたので、一緒に乗っていたおじさんが驚いて「おおっ」と言っていた。

何部屋に戻り、気なくテレビをつけると、アニメ「鬼滅の刃」が連続放送していたので観ながらご飯を食べた。漫画を読んだのが2・3年前のため、完全に内容を忘れており、新鮮な気持ちで観た。

食事がひと段落すると、撮影した素材を整理した。鬼滅が終わり、いい時間になったので大浴場へ向かう。大浴場というか共用の大風呂という感じだったが、(こういうホテルでの大浴場、「ザ・大浴場!」というものに出会ったことがない)気持ちが良かった。私と歳が近いであろう3人組が、デートの割り勘やパートナーとの同棲について話していた。

朝は課題を進めたいのと風呂に入りたいのとで早めに起きた。カーテンを開けるともう昼間かと思うほどの日差しが差し込んできた。外気はまだひんやりとしている。

浴場には2組ほど先客がいたが、出てしまったので一人になる時間があった。洗顔だけ済ませて体を流し、湯船に浸かる。最高。ずっとこうしていたい。夜は暗くてよく見えなかったが、風呂から見える中庭には申し訳程度の細い竹が数本、失敗したチョコレートの焼き菓子のような岩が5、6個あるのが分かった。

部屋に戻って課題を進める。時間の調整などは授業中にやることにして、荷物をまとめチェックアウトする。バスの時間には少し早かったので、近くの神社に入って境内をぐるりとまわる。神社に茂っている植物が好きだ。神社内にある自販機で水を買うと、京都弁で話しかけられる。

2日目は午前中に作業、午後から講評というタイムスケジュールだった。ひたすら編集をした。なんとか終わったのでお昼は蒸し鶏ごぼうサラダのサンドイッチを買って近くの公園で食べた。子供づれが3組ほど来ており、楽しそうに遊んでいた。ブランコが怖くて漕げない男の子がおり、姉と母親にレクチャーされていた。ブランコはどうしても嫌なようだが、シーソーで遊び出すと嬉しそうに笑った。前後揺れはダメで、上下揺れは大丈夫なのだろうか。自分の背丈の5倍以上はある突起のついた壁には登れていたので高いところが怖いというわけではなさそうだ。子供はよくわからない。転んだ後に手を洗うのを泣き叫びながら嫌がる男の子などもおり(その後ケロッとしていた)、子供って面白いんだなと思った。

午後は講評会で、それぞれ作品を観てコメントをした。人前で話すのがあまり得意ではないので変な汗が出るが、頑張って喋った。少人数の授業ではフィードバックをしっかりもらえるのでとてもありがたい。

今回の授業では映像に挑戦できたことと、自分のテーマに映像が有効であったことがわかり、有意義な時間を過ごすことができた。また、他の人と共有したことで形になった側面もあるので、誰かに見せたり意見をもらったりすることを大切にしたいと思った。

学校を後にし、家路に着く。お腹が空いていたのでセブンイレブン甘食のようなパンとおいしい牛乳を買い、電車を待ちながら食べた。